最近の収録機材たち

以下の機材を追加、更新しています。

ビデオ収録
– Panasonic Lumix GH4 (4K収録)
– Panasonic Lumix G7 (4K収録・長時間改造済み)
– Blackmagic Design Micro Studio Camera 4K (4K撮影)
– Blackmagic Design Video Assist (4K収録)
– CANON J15x8BIRS (放送用ズームレンズ)

音声収録
– TASCAM 20×20 8chマイクプリアンプ内蔵オーディオインターフェース
– Audio Technica AT4040
– AKG C390B

以上の機材更新により、
– 3カメまでのフル4K収録(3840 x 2160 / 30P)
– 8chまでの同時マイク収録
などが可能になっています。詳しくはお問い合わせください。

Davinci Resolveによるカラーグレーディング – 応用編1

応用編、といっても基礎編をほんの少し拡張してみただけです。

今回は、5月に無理をいって撮らせていただいた “moment string quartet at KUBU Suria” が題材です。
こじんまりとしたほっとする雰囲気のカフェで、映画音楽のオリジナルアレンジなどを含む弦楽四重奏のライブでした。大好きな古い名作映画のスクリーンミュージックを、とても緻密で響きのよいアレンジで聞かせていただきました。

基本的には1カメでほぼ固定で撮っています。そのままだとちょっとリアル感が出すぎて、古きよき時代の感じがあまりでてきませんので、 Davinci Resolveで加工をしてみます。

まずモノクロにして見たのですが、これだとちょっと地味すぎるので、ハーモニーを奏でる楽器にフォーカスを当てて見たいと思います。
手順としては、タイムライン上で不要な部分をカットしたあと、EDIT画面で

1. モノクロのベースレイヤーを用意する
2. パラレルのノードを作成する
3. 第一バイオリンの「色」と「領域」で第一バイオリンだけ「抜き出す」(プレビューのハイライトボタンで、ちゃんとバイオリンだけ抜き出せたかどうかチェック)
4. モーショントラッキングを使用して、バイオリンを「追っかける」。もし外れた場合は手動で修正する。
5. 完了したらこれを「キー」に設定する→バイオリンのみ抜き出される
6. 第二バイオリン、チェロ、ビオラについてそれぞれ繰り返す
7. レイヤーミキサーでモノクロのベースと4つの楽器を合成する

最終的にはノードは下のスクリーンショットのようになりました。(画像をクリックで拡大 )

DavinciResolve Color Grading
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ビデオ編集 / MAスタジオ

ビデオ編集・MAスタジオを再構築し、新たにカラーグレーディングにも対応しました。
編集スタジオ
お客様の視聴環境のほとんどが家庭用テレビなので、最終色調整などは基本的に家庭用液晶テレビを基準に行います。

ビデオ・MA編集環境として、現在使用しているのは

等です。現在のところ、ビデオフォーマットについてはほとんどのメジャーなフォーマットを入力・出力ともサポートしています。またオーディオについても96KHz/24bitのハイレゾ、5.1chサラウンドをサポートしており、スタジオでの簡単な音入れ(ナレーション等)であれば対応できます(マイク持ち込み可、ファンタム電源対応)。

簡易的に周波数特性を計測してみました。
MAルーム音響特性計測
(測定系 AKG CK91/SE300、TASCAM US-366、WaveGene+WaveSpectra、ホワイトノイズで測定)
300Hz-350Hzに落ち込みが見られますが、おおむねフラットで目立った共振点はなさそうです。高域のロールオフが少し早すぎますが、20KHzの単音では1KHzの同レベル出力で-6dB程度なので、測定方法・測定系の問題と思われます。

DaVinci Resolve Lite 11による初歩のカラーコレクション

カラーコレクションとは、基本は映像制作において「色を調整する・修正する」ことです。

最近はカラーグレーディングという言葉も一般的になってきて、より創造的な意味合いも増しています。映像制作においても、デジタルカメラにおけるRAWフォーマットでの撮影とデジタル現像(RAWから色を調整しながら最終的なフォーマットに仕上げる)と同じようなことができるようになってきたためです。

さてこの カラーコレクション・カラーグレーディング は、ほんの少し前までは完全に「プロの領域」でした。それもかなり大掛かりな編集室を使えるような予算のある映画や番組、映像制作のひとつのステップとしての位置づけでした。そんな予算や時間的余裕がない場合は、ビデオ編集ソフトに組み込まれているカラーコレクション機能を使って、撮るときのホワイトバランスの再調整や、撮影時失敗してしまった場合の緊急避難的活用がほとんどだったと思います。

それが3年前に激変しました。それまでとても高額だったカラーグレーディング専用のソフトウェアが、なんとフリーでリリースされたからです。それが DaVinci Resolve (フリー版はLite)です。

詳しい使い方はいろいろなサイトに譲るとして、ここではピアノ発表会といったファミリーユースでどう簡単に使えるか、ということを実践してみることにします。

題材としては、先日撮影したピアノ発表会の際にピアノの上に置いたアクションカメラの映像を取り上げてみます。

昨今の高画質低価格のアクションカメラの発売で、素人でもカメラを複数置いて同時にいろいろな角度から撮影するという、テレビの人気バラエティ番組のような収録が低コストで可能になってきました。

ただその際問題になりがちなのが、複数あるカメラの色のばらつきと、カメラ自体が持つカラー特性のばらつきです。カメラのメーカーが違うとたとえば同じ「電球色」でホワイトバランスを合わせていても、ぴったり色が合うことはほとんどありません。また同じメーカーでも発売時期によって、あるいは商品の性格上異なる色バランスで製造されていることがよくあります。

そのカメラの映像だけ見ているときは違和感を感じませんが、複数同時に配置・撮影してそれを編集して見る場合、撮影の角度(=使っていたカメラ)が切り替わるごとに色が変わり、優秀な人間の脳でも切り替わる頻度によっては追従できず、違和感を覚えることになります。

そこで、マスターとなるカメラをひとつ決めておき、ほかのカメラの映像・色をそのカメラに合わせる作業が必要になってきます。

これが実際の映像ですが、

BeforeCC

  1. 全体の色合いがちょっと青っぽい(ほかのカメラと比べて)
  2. なぜか女の子のドレスの色が紫(実際には、あるいはほかのカメラでは「黒に近い紺」でした)

2番目はこのカメラの特性らしく、撮影時にホワイトバランスを変えたぐらいでは調整し切れませんでした。またこの「紫だけ」黒にする、という色調整は、一般的なビデオ編集ソフトでは対応できません。

そこでこのDaVinci Resolveの出番です。

まず、全体の色を調整します。左下にある

TotalCC2

の真ん中のポインタをマウスで動かすと、画面の色が動的に変わります。あらかじめ静止画をキャプチャーしたメインのカメラの映像と見比べながら、色を合わせていきます。

色を変えすぎても、それぞれの調整ポインタの右上にあるリセットボタンで戻せますので、どんどん変えてみましょう。ちょっと触っているだけで、どのくらいでどのように変わるのか感覚がわかってくるはずです。

さて、次がドレスの色の修正です。まず、Nodeをもうひとつ追加します。この場合シリーズNodeでもいいのですが、元の映像がコンシューマー用カメラだと調整範囲が狭いので、Parallel Nodeを選んで調整範囲を稼ぎます。

次に下の段真ん中のツールパレットから Qualifierを選びます。選ぶとマウスポインタがスポイトの形になるので、変えたい色をプレビュー画面でクリックします。すると、次のような Hue-Sat(uration)-Lum(inance) (色合い-彩度-明るさ)のグラフが表示されます。

DressCC1

ここで、右下の(赤線で囲ってある)ハイライトボタンをクリックすると、プレビュー画面上で「これから変える色の範囲」だけがこのように表示されるので、

DressCC2

これを見ながら、グラフの下の数字のところ(数字がオレンジ色になっているところ)でマウスを左右に動かして、あるいは数字を直接入力で変えたい色を「特定」します。うまくドレスだけを特定することができました。

ほかに同じ色が画面上にあって、そちらは変えたくない場合は Windowを使います。真ん中下のツールパレットからWindowをえらび、

DressCC4

Shapeをクリックするとプレビューに表示枠がでるので、それをマウスで形、大きさなどを調整します。

AfterCC

Shape自体はNodeひとつにいくつも追加できますが、別のShapeでは別の色調整をしたい場合は、Parallel Nodeをまた追加してそちらで調整することになります(ここがこのソフトウェアの非常にフレキシブルなところです)。

色とその範囲が特定できたら、あとはさきほどのColor Wheelsを使って、選択した色をより黒っぽい色に変えます。

ここまでできたら、あとは映像ファイルとして出力して、普段使っているビデオ編集ソフトで編集を続けるだけです。ただDaVinci Resolve Version 11になってから基本的な編集ならこれだけでこなせるようにもなっています。

今回は「ある色だけ黒にする」ことをやって見ましたが、逆にある色だけ鮮やかにする、全く別の色にする、あるいはモノクロの画面である色のものだけ色がついて見える(見せる)ことも、上と全く同じ手順で可能になります。

 

ピアノ発表会の収録 at 七生公会堂

今回は日野市の七生公会堂にて、ピアノ教室の発表会の演奏収録および撮影。最終出力はDVDを希望、ということだったが、Blu-rayも見ていただいた上で3:2の割合でBlu-rayディスクも納品ということになった。家庭へのBlu-rayレコーダの普及は思ったよりも順調ということだろうか。

WP_20130706_005

ピアノ発表会なので、あくまで主役はピアノ、というか「音」である。ガンマイクやカメラについているステレオワンポイントでの集音ではせっかくのスタンウェイやホールトーンがかわいそうだ。ということで、今回は「音重視」でいくと方針をたて、ピアノ教室の先生にも説明し了承をもらう。

具体的には、

  • ピアノにはステレオペアのコンデンサーマイクを立てて、96KHz 24bit対応のレコーダーでレコーディングする。
  • PA(アナウンス+「弾き語り」のマイク) と合唱・合奏の集音用に舞台前に立てたステレオワンポイントをミキサーでミックスし、別のレコーダー(こちらは48Khz 24bit)でレコーディング
  • カメラはホール客席右前方、および最後方に設置、同期用にカメラマイクとガンマイクで会場音を収音

というプランを立ててみた。ただコレだけだと一般的で面白くないし、子供が主役の発表会ではどうしてもピアノ+譜面台で顔がかくれてしまうので、

  • 超小型ウェアブルカメラをピアノ譜面立て横に設置し、演奏者の表情を狙う

もやってみた。

PAからのラインをもらうことについては、ぜひともホール担当者と打ち合わせをしたかったが、どうしても時間が取れなかったので以上のようなプランの説明資料と質問事項をパワーポイントで作成し、ピアノ教室の先生が打ち合わせに訪れる際にホール担当者に見せてもらった。一応ここで最低限の情報を得ることができた(PAラインのコネクタの位置や舞台袖で電源が使用可能か、など)。

発表会本番は午後からだったが、10時からリハーサルが始まり、またホール自体は朝9時からあけてもらえるということだったので、9時ぴったりにホール到着、搬入してセットアップし、リハーサルに備える。ビデオ収録だけだとリハでの調整はそれほど必要ないが、今回の主役「音」をきちんと収録するためにはリハーサルでの設置調整が不可欠だ。

WP_20130706_002

リハーサルでは、まず一番音量が大きそうな「講師による連弾」を弾いてもらい、マイクの位置決めとレベルあわせをする。リハーサルでの最大レベルからだいたい7dBぐらいマージンをとり、また念のため-10dBで同時録音をしておくことにした(ピアノ用レコーダーはTASCAM DR-40 – 4チャンネル同時に録音可能)。

WP_20130706_001

(オーディオインターフェース+PCでの録音も試みていたが、習熟不足で今回は制作には使用せず)

PAと合唱・合奏マイクのバランスは子供たちのリハーサル時にだいたい決めることができたが、本番中はビデオ収録で客席に居るため一度決めたバランスのままいくしかない。ここでも少し低めの音量をセットしておく、が結果的に合奏のところで一度だけピーク(フルビット)を記録。やはり子供は最強だ 🙂 。

ビデオのほうは、ウェアブルカメラ(Panasonic HX-A100)の設置に時間をかけ、ベストなアングルを決める。弾き語り用のマイクのスタンドと干渉するので、ホルダをはずして円筒形の本体を小さめの耐震ジェルで固定。ただ結構ピアノ本体も振動するので、演奏が進むにつれちょっとづつずれてしまったようだ。

本番中はカメラ操作に集中する。ただピアノ上に設置したウェアブルカメラの映像がWiFi経由でタブレットにインストールしたアプリでモニターできるので、ついついそちらに見とれて手元がおろそかになることもあった 🙂 集中集中。

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今回DR-40を初めて使用したのだが、ビデオ機器とクロックがかなりずれており、休憩をはさんだ3時間の収録で20フレーム(2/3秒)ずれていた。ずれの量を0.0001秒単位で精密に計算し、リサンプルしてビデオのほうに合わせた。

2 週間かけて、

  1. EDIUS 6 PROを使ってマルチカメラ編集し、カメラ同録の音と映像を出力
  2. 居間の液晶TVでプレビューし色調を微調整。テレビは同じ液晶でもPC用モニターと色調やガンマなどの調整が大きく異なるため
  3. Adobe Auditionを使って読み込み、別録のオーディオトラックを同期させる
    Audio_Mastering(Adobe Auditionで波形編集。耳障りなノイズはここで除去しておく)
  4. ナレーション、合奏、伴奏つき演奏、ピアノ演奏の状況によってダウンミックス、マスタリング
  5. できあがったサウンドトラックを再度EDIUSに読み込み、主に曲間をカット、タイトル付加
  6. GrassValley HQエンコードを使って書き出し、Blu-ray/DVDオーサリング

で完成、納品。自宅の居間のテレビでまず試聴してもらったが、とても満足していただいた。

Encoding

(編集用PCでエンコーディング中)