ピアノ発表会の収録 at 七生公会堂

今回は日野市の七生公会堂にて、ピアノ教室の発表会の演奏収録および撮影。最終出力はDVDを希望、ということだったが、Blu-rayも見ていただいた上で3:2の割合でBlu-rayディスクも納品ということになった。家庭へのBlu-rayレコーダの普及は思ったよりも順調ということだろうか。

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ピアノ発表会なので、あくまで主役はピアノ、というか「音」である。ガンマイクやカメラについているステレオワンポイントでの集音ではせっかくのスタンウェイやホールトーンがかわいそうだ。ということで、今回は「音重視」でいくと方針をたて、ピアノ教室の先生にも説明し了承をもらう。

具体的には、

  • ピアノにはステレオペアのコンデンサーマイクを立てて、96KHz 24bit対応のレコーダーでレコーディングする。
  • PA(アナウンス+「弾き語り」のマイク) と合唱・合奏の集音用に舞台前に立てたステレオワンポイントをミキサーでミックスし、別のレコーダー(こちらは48Khz 24bit)でレコーディング
  • カメラはホール客席右前方、および最後方に設置、同期用にカメラマイクとガンマイクで会場音を収音

というプランを立ててみた。ただコレだけだと一般的で面白くないし、子供が主役の発表会ではどうしてもピアノ+譜面台で顔がかくれてしまうので、

  • 超小型ウェアブルカメラをピアノ譜面立て横に設置し、演奏者の表情を狙う

もやってみた。

PAからのラインをもらうことについては、ぜひともホール担当者と打ち合わせをしたかったが、どうしても時間が取れなかったので以上のようなプランの説明資料と質問事項をパワーポイントで作成し、ピアノ教室の先生が打ち合わせに訪れる際にホール担当者に見せてもらった。一応ここで最低限の情報を得ることができた(PAラインのコネクタの位置や舞台袖で電源が使用可能か、など)。

発表会本番は午後からだったが、10時からリハーサルが始まり、またホール自体は朝9時からあけてもらえるということだったので、9時ぴったりにホール到着、搬入してセットアップし、リハーサルに備える。ビデオ収録だけだとリハでの調整はそれほど必要ないが、今回の主役「音」をきちんと収録するためにはリハーサルでの設置調整が不可欠だ。

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リハーサルでは、まず一番音量が大きそうな「講師による連弾」を弾いてもらい、マイクの位置決めとレベルあわせをする。リハーサルでの最大レベルからだいたい7dBぐらいマージンをとり、また念のため-10dBで同時録音をしておくことにした(ピアノ用レコーダーはTASCAM DR-40 – 4チャンネル同時に録音可能)。

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(オーディオインターフェース+PCでの録音も試みていたが、習熟不足で今回は制作には使用せず)

PAと合唱・合奏マイクのバランスは子供たちのリハーサル時にだいたい決めることができたが、本番中はビデオ収録で客席に居るため一度決めたバランスのままいくしかない。ここでも少し低めの音量をセットしておく、が結果的に合奏のところで一度だけピーク(フルビット)を記録。やはり子供は最強だ 🙂 。

ビデオのほうは、ウェアブルカメラ(Panasonic HX-A100)の設置に時間をかけ、ベストなアングルを決める。弾き語り用のマイクのスタンドと干渉するので、ホルダをはずして円筒形の本体を小さめの耐震ジェルで固定。ただ結構ピアノ本体も振動するので、演奏が進むにつれちょっとづつずれてしまったようだ。

本番中はカメラ操作に集中する。ただピアノ上に設置したウェアブルカメラの映像がWiFi経由でタブレットにインストールしたアプリでモニターできるので、ついついそちらに見とれて手元がおろそかになることもあった 🙂 集中集中。

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今回DR-40を初めて使用したのだが、ビデオ機器とクロックがかなりずれており、休憩をはさんだ3時間の収録で20フレーム(2/3秒)ずれていた。ずれの量を0.0001秒単位で精密に計算し、リサンプルしてビデオのほうに合わせた。

2 週間かけて、

  1. EDIUS 6 PROを使ってマルチカメラ編集し、カメラ同録の音と映像を出力
  2. 居間の液晶TVでプレビューし色調を微調整。テレビは同じ液晶でもPC用モニターと色調やガンマなどの調整が大きく異なるため
  3. Adobe Auditionを使って読み込み、別録のオーディオトラックを同期させる
    Audio_Mastering(Adobe Auditionで波形編集。耳障りなノイズはここで除去しておく)
  4. ナレーション、合奏、伴奏つき演奏、ピアノ演奏の状況によってダウンミックス、マスタリング
  5. できあがったサウンドトラックを再度EDIUSに読み込み、主に曲間をカット、タイトル付加
  6. GrassValley HQエンコードを使って書き出し、Blu-ray/DVDオーサリング

で完成、納品。自宅の居間のテレビでまず試聴してもらったが、とても満足していただいた。

Encoding

(編集用PCでエンコーディング中)

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