収録用ADコンバーターの制作

自作ADコンバーター
自作ADコンバーター
7月最初の収録から使っているのがこれ、自作のADコンバーター。ADコンバーターというのは音声を収録する際の要となる機器、マイクなどからのアナログ信号をコンピュータで扱えるデジタル信号に変換する機器なのだけれど、フト思い立って作ってみたわけです。
以前にその逆、PCなどのデジタル信号をヘッドフォンやスピーカーで聴けるアナログ信号に変換するDAコンバーターを作ってみたときは比較的簡単に製作できたので、その逆も簡単だろうと考えたのだけれど、ちょっとそれは甘かった。というのもADコンバーターのほうがはるかに微小信号を扱うし、ノイズが載ってしまうと変換後のデジタル信号、つまりDVDやYoutubeなどで聴く音声ファイルなどにもずっと残ってしまうから。
なんどか試行錯誤し、市販製品なみに低雑音の回路をくみ上げることができた。あまり耐久性を考えずに製作したので、結構長丁場となるピアノ発表会の収録に使えるかどうかは少し不安だったが、結果として2回の収録とも問題なく、高品質の音声収録を実現できた。
すべてを一から自作したわけではない。要となる半導体は比較的簡単に手に入るが、それと必要最小限の部品を基板に乗せたものがかなり安く手に入るので、それらを組み合わせた。とはいっても4つもの出力が必要な電源部、それに一番ノイズに注意を払うべきアナログ入力部だけは自分で回路を設計して、プリント基板も起こして製作したものだ。写真では雑に見えますが、かなり注意深く配置してある。
今は設定はすべて固定値(サンプリング周波数96KHz ビット深度24bit)だが、今後必要な機能をちょっとづつ付加していける、のは自作のメリットといえるかもしれない。