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CD制作 – 山で唄う歌

以下のCDの制作を行いました。弊社では、

  • レコーディングおよびミキシング
  • マスタリング
  • 試聴会(曲間長さ決定)
  • CDオーサリング(DDP情報作成) / マスター情報生成
  • 著作権情報調査及びJASRACへの問い合わせ・許諾取得
  • CDプレス及びパッケージ発送
  • CDトラック情報登録

までを行いました。

CD詳細

タイトル : 山で唄う歌
発行者 : 東大乗鞍寮OB会
演奏者 : 朝倉千春(pf) 竹内明日香(vn)

収録データ :
2018/1/19 at 調布市立グリーンホール小ホール
96KHz 24bitによるハイレゾ録音

曲目 : アルト・ハイデルベルグ/彷浪の歌/Ich will Kobolde um mich haben/スキーの寵児/遠き君を想う(夕陽山に沈みて)/僕らの故郷 /小さなグミの木/山の一日/大尉の遺言/エンメンタールの唄/山へのわかれ/雪山の歌/かわらぬ恋/ネムノキの唄/ゆうべの唄/別れの日はつらい/わかれ/遙かな友に

曲の由来・歌詞を記したライナーノーツ付き

JASRAC許諾番号 : R-1830565
https://vsa.jp/cd-donate/

山で唄う歌

最近の収録機材たち

以下の機材を追加、更新しています。

ビデオ収録
– Panasonic Lumix GH4 (4K収録)
– Panasonic Lumix G7 (4K収録・長時間改造済み)
– Blackmagic Design Micro Studio Camera 4K (4K撮影)
– Blackmagic Design Video Assist (4K収録)
– CANON J15x8BIRS (放送用ズームレンズ)

音声収録
– TASCAM 20×20 8chマイクプリアンプ内蔵オーディオインターフェース
– Audio Technica AT4040
– AKG C390B

以上の機材更新により、
– 3カメまでのフル4K収録(3840 x 2160 / 30P)
– 8chまでの同時マイク収録
などが可能になっています。詳しくはお問い合わせください。

DAコンバータの製作

これまで、音楽鑑賞用や収録した音声の編集作業時にはデジットのPCM1792A使用のキットと自作電源、自作アナログ出力基板を組み合わせたDAコンバーターを使っていましたが、ほかのテイストも試してみたくなり、いまのとは全然傾向の異なるDAコンバーターを探していました。ネットの掲示板や製作記事をいくつか比較して選んでみたのが旭化成エレクトロニクスのAK4399。比較的最近のハイエンド用DAコンバーターなのになぜかディスコンになっているのが余計に興味をそそります。

こんな記事もあるのにね。どうしてだろう。

eBayで探してみたところ、USB入力→デジタル出力付きの完成基板が見つかり、よく読むとアナログ出力(差動入力と電流/電圧変換)も、さらに電源安定化までついており、トランスを用意するだけです。電源部分は下手すると差し替えだろうな、それでもDAC ICの価格を考えるとお得すぎるので、後日改造は覚悟のうえで購入。届いたのを見たところ、特に問題はなさそうです。

AK4399 DAC

さっそく手持ちのトランスとつなげて試聴。アナログ出力のオペアンプはNE5534(往年の名オペアンプ)が載っていましたが、DAコンバーターのこの部分にはあまり向いてないのは前回製作時にわかっていたので、秋月で2つほど新たに調達。ちょっとお高いけど、LT1115を使ってみることにします。

LT1115

音は…期待したとおり、PCM1792Aとは全く方向性が違う音です。1792は、周波数上下とも、またダイナミックレンジ上下ともとことん伸ばし切った感じで、あまり大した録音でなくても「ハイレゾ」のイメージで再生してくれる、よく言えば味付けの上手な、悪く言えば素材の味をあまり残さない音です。が、AK4399はその正反対で、つまらない録音だとよりつまらなく、いい録音だとよりよく聞こえるようになります。このへんのテイストの違いがいったいどこから来るのかちょっとわかりかねるけれど。ただ、ピアノの音はどうもAK4399のほうがピアノらしく聴こえるようですね、というか録ったとき聴いた音に近い。

また出力回路のオペアンプの傾向にもかなり左右されるのも面白いところで、ほかにOPA177も試したのだけど、優劣つけられないほど傾向が違うのでとりあえずLT1115にしていますが、ほかにもいくつか買ってきて試す価値はありそうです。高いとはいってもオーディオの世界で数百円でこれだけ音が変わる要素もほかにはないな(笑)。オーディオ用電源ケーブルとかUSBケーブルとか数万円の世界なのにね。LME49990あたりはぜひ試してみたい…。

さて、計測してみましょう。今回から計測は弊社自慢の超ローノイズADコンバーターを使用しています。ノイズフロアは驚異の-150dB、RMSでも-115dBというメジャーな高級オーディオインターフェースも真っ青のスペックです。

まずはPCM1792A。192KHz/24bit設定で1KHz を-3dBで出力し、AD側入力で-10dBになるように絞っています(2つのDACのアナログ回路定数の違いで出力レベルが異なるためです)。AD側は96KHzサンプリングです。

PCM1794A

ちょっと電源の回り込みが目立つかな。でも-120dBとかなので、常人、いやほぼすべての人の耳には聞こえません。これが聞こえるくらいだと、ピーク0dBが来た時に耳がつぶれます(笑)。THD(全高調波歪率)は0.001%台で、PCのオーディオ出力はもちろんたいていのオーディオ機器には負けません。

で、こちらがAK4399。

AK4399 - LT1115

ありゃりゃりゃ、どうしたことだろう。安物MP3プレーヤーでも最近はあまり見ないひどい特性。出音はこのイメージほどはひどくないのに。

じっくり基板を見直したところ、どうもアナログ回路定数がオペアンプに「厳しい」つまりよりドライブ能力を要求する値になっているようです。それになんと!電源回路でせっかく2系統のAC9V入力からそれぞれ別系統のDC5Vを作り出しているのに、一つはUSBインターフェースだけに、もう一つはAK4399のアナログ電源とデジタル電源に同時に供給しているではありませんか!うーん、デジタルオーディオ系のアナログ電源・デジタル電源を一緒にしちゃうのはちょっと基礎の基礎ができてないな…。ほんとはアースもちゃんと分けてほしいんですが…。基板の設計者の見識を疑ってしまいますね。やはり値段なりということか。

気を取り直してAK4399のデジタル電源をUSBインターフェース用5Vから取るようにしてアナログ電源から分離し、またオペアンプをより負荷に強そうなOPA177に差し替えて、再計測。

ADC AK4399

うん、電源回り込みがちょっとPCM1792Aより大きいのは、PCM1792Aには高精度ローノイズ電源でアナログ電源を供給しているせいでしょう。高調波の出方はほぼ同じです。超高域にちょっとひげが見られますが、これも常人にはまず聴こえません。数値的にもTHD 0.001%台となって引けを取りません。

これをベースに、まだケースにも入れてもらってないので、いくつか改良を加えていく予定。かかった金額はまだ9,000円ぐらいですね(笑)。

 

Davinci Resolveによるカラーグレーディング – 応用編1

応用編、といっても基礎編をほんの少し拡張してみただけです。

今回は、5月に無理をいって撮らせていただいた “moment string quartet at KUBU Suria” が題材です。
こじんまりとしたほっとする雰囲気のカフェで、映画音楽のオリジナルアレンジなどを含む弦楽四重奏のライブでした。大好きな古い名作映画のスクリーンミュージックを、とても緻密で響きのよいアレンジで聞かせていただきました。

基本的には1カメでほぼ固定で撮っています。そのままだとちょっとリアル感が出すぎて、古きよき時代の感じがあまりでてきませんので、 Davinci Resolveで加工をしてみます。

まずモノクロにして見たのですが、これだとちょっと地味すぎるので、ハーモニーを奏でる楽器にフォーカスを当てて見たいと思います。
手順としては、タイムライン上で不要な部分をカットしたあと、EDIT画面で

1. モノクロのベースレイヤーを用意する
2. パラレルのノードを作成する
3. 第一バイオリンの「色」と「領域」で第一バイオリンだけ「抜き出す」(プレビューのハイライトボタンで、ちゃんとバイオリンだけ抜き出せたかどうかチェック)
4. モーショントラッキングを使用して、バイオリンを「追っかける」。もし外れた場合は手動で修正する。
5. 完了したらこれを「キー」に設定する→バイオリンのみ抜き出される
6. 第二バイオリン、チェロ、ビオラについてそれぞれ繰り返す
7. レイヤーミキサーでモノクロのベースと4つの楽器を合成する

最終的にはノードは下のスクリーンショットのようになりました。(画像をクリックで拡大 )

DavinciResolve Color Grading
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ADコンバーターの自作 PCM4222編 ~低ノイズの限界に迫る~

これまでにすでに2つのADコンバーターを製作したのですが、実はその2つともに「右チャンネルにかなり大きめのノイズが載る」という問題を抱えていました。もちろん耳で聞こえるほどではなく、PCに取り込んでFFTを表示させて初めてわかるレベルです。

1つ目はこのBlogにもあるPCM1804使用ADコンバーターです。核となるADコンバーターにはデジット製のキットを使用しています。いろいろ実験を繰り返したのですが、自作したアナログ入力基板(不平衡→平衡変換とローパスフィルタ)をつながなくてもノイズが載るので、結論としてこの基板そのものに問題があると言わざるを得ません。もともとアナログ・デジタル部分の電源やグラウンドの分け方も大雑把なので、あまり音質に気を使った設計ではなかったようです(商品説明にも「実験基板」と書いてあるし)。確かに主要部品はほとんどはんだ付け済みなので、コネクタをはんだ付けしほかの基板と組み合わせるだけで自作できるのは助かるのですが…。

もう一つは実はある意味半分出来合いで、TOAのデジタルミキサーの部品としてこれが近所のリサイクルショップで350円で売られていたので、回路を解析したうえで電源、デジタル出力→SPDIF変換、クロックなどを足したものです。プロ用ミキサーの部品なので、ノイズなどは信頼していたのですが、出来上がってから測定してみたところ、なんとこれにも右チャンネルだけノイズが載ることがわかりました。ADコンバーター半導体(旭化成AK5393)のアナログ入力をショートするとノイズが消えるので、どうもアナログ増幅・平衡変換回路の設計に問題がありそうです。ちょっとがっかり。でも350円では仕方がないか…。

実は、二つとも基本的に実際の使用には問題はなく、なぜならホールや収録会場の背景ノイズはこの2つのADコンバーターが出すノイズよりはるかに大きいからです。でもなんとなく気になる(笑)。

そこで、今度は限界までノイズが少ないADコンバーターを何とかして作ってやろうと思い立ち、ネットを探しまくっているとここにたどりつきました。その筋では有名な方で、作ったAD/DAコンバーターの数や内容もすごいし、また作った基板を主要部品込みで頒布もしてもらえるということで、早速唯一のADコンバータ制作例としてあったこれを申し込みました。

送られてくるものは基本的に主要部品 – ADコンバーター半導体やSPDIF出力変換 – と基板なので、それ以外のアナログ部品などは自分で調達する必要があります。今回はとことんハイエンドを目指すので普段は買わない高精度抵抗やオーディオ用コンデンサなどを試してみることにしました。

製作途中に誤って高い電圧をかけてSPDIF変換チップを「焼いて」しまったのは秘密…(笑)

主となるADコンバーターICは0.65mmピッチのICなので、半田付けが大変です(笑)
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

一通り組みあがって、意気揚々とノイズ測定。すると…50Hzの倍数でかなり大きめのノイズが。こいつは良く見知っているやつです。「電源ノイズ」もしくは「ハム」といいます。かなり注意深く電源を作ったはずなんですが…。逆に対策が思いつかず、たまたま中古で買ってあったあまり見ない(だから買ったんだけど)3出力のスイッチング電源が見つかってしまった(笑)のであっさりそれに乗り換えることにしました。オーディオにはスイッチング電源はご法度とされていますが…(でも音楽制作機器にはふつーに使ってるよなー)。

デジタル音響機器を作る楽しみの一つは「オペアンプを選ぶこと」です。巷のオーディオ雑誌などではスピーカーケーブルに凝ったり、それこそ電源コネクタやコンセント(壁のほう)を変えたり、最近はLANケーブルやUSBケーブルにとても高い投資をしてみたりしているようですが、オペアンプを変えるとそれらと比較にならないぐらい音が変わります。実際の測定グラフにも即座に違いが現れます。今回は、定番(普及型 – 中級までのオーディオ機器はみんなこれ。激安なのに結構高性能)のJRC NJM4580DDをリファレンスとして、

NJM2068DD → NJM5532DD → NJM2114DD → LME49860 → OPA2604

と辿って、最終的にOPA2134PAに決めました。ノイズ、歪率とも試した中ではこれがベストでした。1個200円と決して安くない上に4個も必要なのでちょっと値が張りますが、史上最強スペックを目指すため仕方ありません。ちなみにこのオペアンプというやつ、高いのは3,000円を超えます。さすがにそれは買えない…。

電源も、もともとの頒布部品の中ではレギュレーターICでADコンバーター用アナログ電源(4V)を作っていましたが、ここが経験上一番ノイズに効くので、低ノイズ電源レギュレーターをおごりました。

他にも細かい工夫を何点か加え、最終的に得られた測定結果がこれ。

ADC4222_noise

前に作ったADコンバーターのグラフとは実はレンジが1つ広がっています。単純比較で20dB、電圧に換算するとノイズは(ノイズが少なかった左チャンネルどうしの比較で)実に1/10になりました。これは驚くべき結果で、市販のかなり高価なADコンバーター機器の測定結果を余裕で上回ります。取り込める音の強弱の最大は24bitなので理論上144dBですが、もしその「最小の音」でもノイズに埋もれずここに「見える」計算になります。

もちろんノイズだけが「音質」のすべてを決めるわけではありませんが、ただ取り込んだ後加工することが多いADコンバーターの出力はできるだけ低ノイズであってほしいのも事実です。実際に聴いた感じでも「静寂」がまずあって、そこから音が浮き上がってくるイメージです。なかなか得難い体験です。

市販品にも「もっと使い勝手のいい」ADコンバーター、あるいはオーディオインターフェースはたくさんあるのですが、自作する以上はこのぐらい一点だけにこだわってもいいのかな、と思います。

(本体内部)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

[追記 – 2015/6/24]

クロックの精度が心配だったので、いつものようにNHK AMラジオを3時間録音して、時報の間隔が収録データと実時間であっているかどうか確認したところ、
– 3時間収録で 0.096秒のずれ
でした。PPM(1/100万)にすると約 8.4PPMで、一般的な水晶発振器の精度(50PPM)と比較しても良いほうですが、発表会は長時間収録、かつビデオと同時に収録するため、3時間で約3フレームのずれだと普通にわかってしまいます。これではちょっとしんどいので、旧ADコンバーターから発振器周り(1PPM発振器+PLL)を移植し、結果
– 3時間収録で 0.005秒のずれ
にすることができました。このくらいだとよほど耳がよくなければ判別できないと思います。

せっかくなのでRMAAというオーディオアナライザーで特性を測定してみました。とはいっても再生側はTASCAM US-366なので、そちら側の再生特性にも足を引っ張られてしまいます。そこで、比較のためにUS-366だけの場合も測定してみました。

US-366+自作コンバーター
US-366のみ

結果は…全然違いますね(笑) 自作コンバーターの測定値で唯一”Good”だった歪+ノイズは、US-366が再生時に出している可能性が大です。ということは、まともなDACも作らなければ、ということですね…

空撮訓練中

時流に乗って、というよりはどちらかというと何度かチャレンジして挫折していた「ラジコンヘリの操縦、とそれによる空撮」に対するリベンジの意味合いのほうが強いのですが…


そのうち空撮も請け負うことができるでしょうか?
鋭意練習中ですが、人のいるところでは原則飛ばしていません。また損害賠償保険には加入済みです。

ビデオ編集 / MAスタジオ

ビデオ編集・MAスタジオを再構築し、新たにカラーグレーディングにも対応しました。
編集スタジオ
お客様の視聴環境のほとんどが家庭用テレビなので、最終色調整などは基本的に家庭用液晶テレビを基準に行います。

ビデオ・MA編集環境として、現在使用しているのは

等です。現在のところ、ビデオフォーマットについてはほとんどのメジャーなフォーマットを入力・出力ともサポートしています。またオーディオについても96KHz/24bitのハイレゾ、5.1chサラウンドをサポートしており、スタジオでの簡単な音入れ(ナレーション等)であれば対応できます(マイク持ち込み可、ファンタム電源対応)。

簡易的に周波数特性を計測してみました。
MAルーム音響特性計測
(測定系 AKG CK91/SE300、TASCAM US-366、WaveGene+WaveSpectra、ホワイトノイズで測定)
300Hz-350Hzに落ち込みが見られますが、おおむねフラットで目立った共振点はなさそうです。高域のロールオフが少し早すぎますが、20KHzの単音では1KHzの同レベル出力で-6dB程度なので、測定方法・測定系の問題と思われます。

ハイレゾって必要?

最近発売されるオーディオ製品には「ハイレゾ」に対応したものが増えてきました。ハイレゾとは、一般的なCDやDVDのオーディオよりも「より高い周波数まで、よりきめ細かく」収録し、それをそのまま聴くことができる機器や再生フォーマット、あるいはそのフォーマットで収録・編集された音楽メディアのことを指します。

でも、あれれ、CDのフォーマットって人間が聴くことができる範囲の音は収録できるのが売りだったはず。じゃあハイレゾって意味ないの?

サンプルを用意しました。ハンドベルの演奏を96KHz 24bitというハイレゾフォーマットで収録したそのままのものと、編集ソフトウェアで48KHz 16bitに「落とした」ものです。

ハイレゾ(96KHz 24bit)をそのフォーマットのまま聴くには、それに対応した機器が必要です。実は最近の一般的なWindows PCでは通常のオーディオ出力がハイレゾに対応しているものが多いので、設定を変えるだけでハイレゾオーディオを聞くことができます。ただそれはあくまで再生可能なだけで、フォーマットの実力を発揮できる、というレベルではありませんが…。

以下のように設定してみてください。Windows 7、8、8.1で共通です。

1. デスクトップのタスクバー右端にあるスピーカーのアイコンを右クリックする

Mixer

2. メニューから「再生デバイス」を選び、スクロールして使用している・既定値になっている再生デバイスを表示させる。
(表示が「スピーカー」などになっているはず)

PlayProperty

3. 「プロパティ」ボタンをクリックし、開いた「スピーカーのプロパティ(名称は異なるかも)」ダイアログで「詳細」タブをクリック。以下のようにドロップダウンリストが現れるので、”24 ビット、96000 Hz”という項目をえらび、「テスト」ボタンで音が鳴るのを確認したらOKボタンをクリック。

(もしこの項目がリストになければ、残念ながらハイレゾフォーマットのままでは再生されません)

DefaultFormat

4. もう一度OKボタンをクリックし、上記のリンクのサンプルファイルを「メディアプレーヤー」で再生する

いくつかのPCで試しましたが、”96KHz” フォーマットの上限である 43KHz – 45KHzまでは再生できないものも多いものの、すべての機種で30KHzを超える超高音は再生できていたので、二つのサンプルでの音の違いがわかる「かも」しれません。

ただ、違いはやはり超高音域に出てきます(サンプルにハンドベルを選んだのもそのためです)。できるだけいいイヤフォンかスピーカーで聴いてみてください。PCのスピーカーではほとんど違いは分からないと思います。

To マニア・専門家の方へ

厳密にはここのサンプルの「ハイレゾじゃない版」も通常の収録方法とは異なるし、どうしてもソフトウェアで変換する際に劣化するので正しい比較方法ではないですが、あくまで簡易的にサンプリング周波数で音のニュアンスが変わるかどうか、のみを主眼にしています。

DaVinci Resolve Lite 11による初歩のカラーコレクション

カラーコレクションとは、基本は映像制作において「色を調整する・修正する」ことです。

最近はカラーグレーディングという言葉も一般的になってきて、より創造的な意味合いも増しています。映像制作においても、デジタルカメラにおけるRAWフォーマットでの撮影とデジタル現像(RAWから色を調整しながら最終的なフォーマットに仕上げる)と同じようなことができるようになってきたためです。

さてこの カラーコレクション・カラーグレーディング は、ほんの少し前までは完全に「プロの領域」でした。それもかなり大掛かりな編集室を使えるような予算のある映画や番組、映像制作のひとつのステップとしての位置づけでした。そんな予算や時間的余裕がない場合は、ビデオ編集ソフトに組み込まれているカラーコレクション機能を使って、撮るときのホワイトバランスの再調整や、撮影時失敗してしまった場合の緊急避難的活用がほとんどだったと思います。

それが3年前に激変しました。それまでとても高額だったカラーグレーディング専用のソフトウェアが、なんとフリーでリリースされたからです。それが DaVinci Resolve (フリー版はLite)です。

詳しい使い方はいろいろなサイトに譲るとして、ここではピアノ発表会といったファミリーユースでどう簡単に使えるか、ということを実践してみることにします。

題材としては、先日撮影したピアノ発表会の際にピアノの上に置いたアクションカメラの映像を取り上げてみます。

昨今の高画質低価格のアクションカメラの発売で、素人でもカメラを複数置いて同時にいろいろな角度から撮影するという、テレビの人気バラエティ番組のような収録が低コストで可能になってきました。

ただその際問題になりがちなのが、複数あるカメラの色のばらつきと、カメラ自体が持つカラー特性のばらつきです。カメラのメーカーが違うとたとえば同じ「電球色」でホワイトバランスを合わせていても、ぴったり色が合うことはほとんどありません。また同じメーカーでも発売時期によって、あるいは商品の性格上異なる色バランスで製造されていることがよくあります。

そのカメラの映像だけ見ているときは違和感を感じませんが、複数同時に配置・撮影してそれを編集して見る場合、撮影の角度(=使っていたカメラ)が切り替わるごとに色が変わり、優秀な人間の脳でも切り替わる頻度によっては追従できず、違和感を覚えることになります。

そこで、マスターとなるカメラをひとつ決めておき、ほかのカメラの映像・色をそのカメラに合わせる作業が必要になってきます。

これが実際の映像ですが、

BeforeCC

  1. 全体の色合いがちょっと青っぽい(ほかのカメラと比べて)
  2. なぜか女の子のドレスの色が紫(実際には、あるいはほかのカメラでは「黒に近い紺」でした)

2番目はこのカメラの特性らしく、撮影時にホワイトバランスを変えたぐらいでは調整し切れませんでした。またこの「紫だけ」黒にする、という色調整は、一般的なビデオ編集ソフトでは対応できません。

そこでこのDaVinci Resolveの出番です。

まず、全体の色を調整します。左下にある

TotalCC2

の真ん中のポインタをマウスで動かすと、画面の色が動的に変わります。あらかじめ静止画をキャプチャーしたメインのカメラの映像と見比べながら、色を合わせていきます。

色を変えすぎても、それぞれの調整ポインタの右上にあるリセットボタンで戻せますので、どんどん変えてみましょう。ちょっと触っているだけで、どのくらいでどのように変わるのか感覚がわかってくるはずです。

さて、次がドレスの色の修正です。まず、Nodeをもうひとつ追加します。この場合シリーズNodeでもいいのですが、元の映像がコンシューマー用カメラだと調整範囲が狭いので、Parallel Nodeを選んで調整範囲を稼ぎます。

次に下の段真ん中のツールパレットから Qualifierを選びます。選ぶとマウスポインタがスポイトの形になるので、変えたい色をプレビュー画面でクリックします。すると、次のような Hue-Sat(uration)-Lum(inance) (色合い-彩度-明るさ)のグラフが表示されます。

DressCC1

ここで、右下の(赤線で囲ってある)ハイライトボタンをクリックすると、プレビュー画面上で「これから変える色の範囲」だけがこのように表示されるので、

DressCC2

これを見ながら、グラフの下の数字のところ(数字がオレンジ色になっているところ)でマウスを左右に動かして、あるいは数字を直接入力で変えたい色を「特定」します。うまくドレスだけを特定することができました。

ほかに同じ色が画面上にあって、そちらは変えたくない場合は Windowを使います。真ん中下のツールパレットからWindowをえらび、

DressCC4

Shapeをクリックするとプレビューに表示枠がでるので、それをマウスで形、大きさなどを調整します。

AfterCC

Shape自体はNodeひとつにいくつも追加できますが、別のShapeでは別の色調整をしたい場合は、Parallel Nodeをまた追加してそちらで調整することになります(ここがこのソフトウェアの非常にフレキシブルなところです)。

色とその範囲が特定できたら、あとはさきほどのColor Wheelsを使って、選択した色をより黒っぽい色に変えます。

ここまでできたら、あとは映像ファイルとして出力して、普段使っているビデオ編集ソフトで編集を続けるだけです。ただDaVinci Resolve Version 11になってから基本的な編集ならこれだけでこなせるようにもなっています。

今回は「ある色だけ黒にする」ことをやって見ましたが、逆にある色だけ鮮やかにする、全く別の色にする、あるいはモノクロの画面である色のものだけ色がついて見える(見せる)ことも、上と全く同じ手順で可能になります。

 

収録用ADコンバーターの制作

自作ADコンバーター
自作ADコンバーター
7月最初の収録から使っているのがこれ、自作のADコンバーター。ADコンバーターというのは音声を収録する際の要となる機器、マイクなどからのアナログ信号をコンピュータで扱えるデジタル信号に変換する機器なのだけれど、フト思い立って作ってみたわけです。
以前にその逆、PCなどのデジタル信号をヘッドフォンやスピーカーで聴けるアナログ信号に変換するDAコンバーターを作ってみたときは比較的簡単に製作できたので、その逆も簡単だろうと考えたのだけれど、ちょっとそれは甘かった。というのもADコンバーターのほうがはるかに微小信号を扱うし、ノイズが載ってしまうと変換後のデジタル信号、つまりDVDやYoutubeなどで聴く音声ファイルなどにもずっと残ってしまうから。
なんどか試行錯誤し、市販製品なみに低雑音の回路をくみ上げることができた。あまり耐久性を考えずに製作したので、結構長丁場となるピアノ発表会の収録に使えるかどうかは少し不安だったが、結果として2回の収録とも問題なく、高品質の音声収録を実現できた。
すべてを一から自作したわけではない。要となる半導体は比較的簡単に手に入るが、それと必要最小限の部品を基板に乗せたものがかなり安く手に入るので、それらを組み合わせた。とはいっても4つもの出力が必要な電源部、それに一番ノイズに注意を払うべきアナログ入力部だけは自分で回路を設計して、プリント基板も起こして製作したものだ。写真では雑に見えますが、かなり注意深く配置してある。
今は設定はすべて固定値(サンプリング周波数96KHz ビット深度24bit)だが、今後必要な機能をちょっとづつ付加していける、のは自作のメリットといえるかもしれない。